3. 交流事業の効果
小学生による交流については、両国の子供達が描いた絵や書の交換が現在でも続いており、モンゴルの子供達の作品は、県内の児童施設を始め多くの施設で紹介されている。また、「モンゴル恐竜化石特別展」での化石の組立作業やレプリカを作製する様子、子供達が化石について勉強する様子等が全国に紹介され、世界数十ケ国でも報道されたことで、子供達も化石や地域の資源に興味を持つようになった。
子供達の絵の交換や「モンゴル恐竜化石特別展」は「ふるさと教育」に発展し、地域を見直す授業として、子供達のモンゴルに対する理解と地域を愛する心を一層育むことができた。その成果は、モンゴルで発生した大火災の際に、子供達から自主的にモンゴルの子供達に学用品を送る運動が行われたことや、我が国で初めてのモンゴルの小学生の単身留学を温かく受け入れ、12歳の小学生が小さな親善大使としてホームステイをしながら元気に通学していることにも現れている。
4. 交流事業の問題点と今後の展望
他の市町村の国際交流と違い、モンゴルの特定地域との交流ではないため、どのような体制で交流を行うのかに問題点があるが、現在の文化交流の状況を踏まえ、背伸びをしない交流を続けていくことを考えている。
また、日蒙両国の恐竜学発展のためには、化石の組立は大切な事業であり、壊れやすい化石の保護と研究のためには、レプリカを作製することも必要である。恐竜化石を通じた交流により、レプリカの作製に携わることができる村民を徐々に養成し、モンゴルで発掘を行い、組立作業は中里村で行う体制の整備ができれば、村の人材育成と就業機会の創出になると思われる。
世界でも平均年齢が非常に若く学力も高いモンゴル国は、今後、中里村を含めた日本の良きパートナーになっていくと思われ、徐々に大きくなりつつある交流の芽を、大切にそして力強く育てていきたいと考えている。