(2) 居住者と小学生との交流
エリアの入居者と町立白山小学校児童との交流は、平成2年に白山小学校からボランティア活動として「施設の窓拭きをしたい」との申し出があったことから始まり、平成3年には入居者が白山小学校の運動会や学芸会に招待を受け、翌4年には児童を施設行事のクリスマス会に招待する等の交流を重ね、以後、学校行事(学習発表会)への招待、施設での花植え・ふれあい訪問に加えて、学年単位での奉仕活動へと交流を拡充してきている。
3. 交流事業の効果
エリアを中心とした交流活動により、本格的な世代間交流が増加し、町民の多くがエリアに足を運ぶようになった。町民のボランティア意識も高揚し、3,000人を超える人がボランティアとして登録し、毎日のようにエリア内でのボランティア活動が見られるようになった。このボランティアは、婦人会や学校、職場など各種団体ごとに登録され、大森町社会福祉協議会と連絡調整しながら活動を実施しており、このことは、地域においてエリアの役割が住民に広く認識、理解されていることの反映と思われる。
また、入居者にとって活き活き学園をきっかけに多くの人と触れ合うことは、生きがいを持ちながら楽しく暮らす手助けとなっている。
その他にも、学園活動により、陶芸・木工など全くの初心者であった入居者の作品が県展に入賞するなど、技術の向上にもめざましいものがある。スポーツ面においても、ラージボール卓球で全国大会に出場する入居者も出てきている。
白山小学校においても、エリアの入居者と交流することにより、ただ施設に行って掃除をしたというだけでなく、児童たち自身の中から「今度はエリアの人たちに手紙を出そう」「エリアの人たちを運動会に招待しよう」「今度エリアに行った時は竹とんぼの作り方を教えてもらいたい」など、エリアの入居者を考えた(意識した)発言が多くなり、交流が始まってから児童の行動が確実に変化したことを先生たちが認めている。児童たちに、お年寄りを大切にする心が現われ始めており、子供たちの成長にも良い影響を与えているものと確信している。
4. 交流事業の問題点と今後の展望
活動7年目に入った活き活き学園は、マンネリ化の傾向が出てきており、参加者も固定化が進んでいるため、参加者を更に広げ、世代間交流を促進し、積極的な地域参加プログラムを構築する必要がある。
また、入居者は、活き活き学園活動を通して技術の向上にめざましいものがあり、一人一人が講師になるまでに上達しており、この技術や作品などを町民に還元する機会を創出し、地域社会に積極的に参加できるような環境を整えなければならない。
入居者と児童との交流については、今後、町内全学校に拡大し、学校教育プログラムのー部として位置付けたいと思っている。