事例12 秋田県・大森町(人口8,434人 面積102.23km2)
〜大森町における高齢者の交流〜
1. 交流事業の契機
昭和63年、秋田県は高齢化社会の進行に対応するため、医療と福祉の総合的サービスや地域社会における人間的ふれあいを大切にしたコミュニティ形成を目指し、地域住民の積極的な参加による幅広く、きめ細かなサービスを展開する「秋田県南部老人福祉総合エリア」(以下「エリア」という)を当町に建設した。
エリア内には以下の施設があり、総合的な福祉タウンと言えるものになっている。
1) 医療・介護施設
・在宅老人介護センター
・診療リハビリセンター
2) スポーツ交流施設
・コミュニテイセンター
・屋外スポーツ施設
・屋内運動広場
・屋内温水プール
3) 生きがい施設
・生きがい農園
・生きがい創作館
4) 居住施設
・特別養護老人ホーム
・養護老人ホーム
・軽費老人ホーム
・老人専用マンション
5) 世代間交流施設
・子供と老人のふれあいセンター
・生きがい交流広場
大森町では、これらの施設を利用して、居住者と地域住民の自主的な社会参加や世代間交流を図るようになった。
2. 交流事業の経過・概要
(1) 活き活き学園活動
活き活き学園は、エリアの入居者及び利用者そして大森町在住のお年寄りを対象とし、「互いの親睦を図り、老後の充実した人生を享受するための事業」として、平成4年度から実施している。
この学園は、陶芸・民芸・木工・食品加工・切り絵教室などの「創作活動コース」、ゲートボール・水泳・太極拳・卓球教室などの「健康づくり活動コース」、茶道・踊り・華道・コーラス・なつメロ・書道・囲碁教室などの「趣味活動コース」、語りを聞く会・健康講座などの「講座・講演コース」というように、各コースに分類しながら開催している。平成9年度の実績では、239回の講座に5,572名の参加があった。これは、各教室の開催予定についての月1回の回覧版を利用した広報活動に加え、講座への参加により自らの技術や知識の向上が図られるとともに、多くの人々と知り合えることや、イベントなどにおいて成果を発表する機会が多くあることなどが大きな魅力となり、参加者が増加する要因になっていると思われる。