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事例11 秋田県・八森町(人口5,025人 面積112.62km2)

〜四季の自然と生活風土を体験(白神探検隊)〜

 

1. 交流事業の契機

八森町は日本海に面して秋田県の最北端にあり、世界遺産登録となった白神山地を背に海と山の自然に包まれた町で、地域の90パーセントが森林で占められ、林業と漁業を基幹的な産業としている。また、海岸は北部が奇岩奇石の岩礁地帯で、風光明媚なことから昭和39年に県立自然公園「八森・岩館」に指定され、海水浴、海釣り、キャンプ、山菜・キノコ採り、登山などアウトドア・レクリエーション地として多くの人が訪れている。

これまで、秋田音頭で「秋田名物 八森 ハタハタ」と唄われる県北部最大の漁港基地で、圏域では海水浴場が知られていることから、海の町のイメージが強かった。しかし、青秋林道問題に端を発し、平成5年に白神山地が世界遺産登録となると、県内外から自然嗜好の観光客が際立って目立つようになり、こうして訪れる人々との交流から地域の活性化を進めることを検討してきた。

 

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白神探検隊

 

2. 交流事業の経過・概要

平成6年度に、自然観察会などで交流事業に携わってきた関係者が検討委員となり、白神山地の環境保全と訪問者との交流指針を検討した「白神山地エコツーリズム構想」を策定、同時に交流の実行部隊となる「白神ネーチャー協会」を設立するなど交流事業の体制を整備し、白神山地のネームバリューを生かした交流事業を過疎地活性化の足がかりに見据えた。この構想では、白神山地の環境保全と訪問者へのガイドのあり方や活動プログラムなどを整備し、地域産業の振興に結びつけるとともに、自然環境に関する教育を大きなテーマとしている。

この構想のもとに、白神山地の自然体験交流が実践に移され、平成7年度から日本交通公社を通じ「白神探検隊」の名称で関東圏において参加者を募集した。白神探検隊は四季折々の地域の魅力を満喫できるよう年に4回募集し、白神山地の登山をメインに春には渓流釣りや山菜採り、夏は海水浴と磯辺の観察会、秋にはキリタンポ鍋の郷土料理つくり、冬には自作カンジキでの雪中観察などの活動プログラムで、地域の生活風土がそのまま体験交流となっている。

また、ブナ林の保全のため秋にブナの実を採取し苗木を育成、春にブナの植樹を住民と一緒に行なっている。食事については、地域の小売市場で食材を探し、参加者が住民から指導を受けて自ら調理するなど、地域に染まった体験交流となっている。

 

 

 

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