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どちらの訪問もホームステイを中心とし、児童と児童、家族、そして地域とのふれあいを中心とした交流事業となっている。

 

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市谷小の児童が「御神楽」を踊る

 

3. 交流事業の効果

子供たちについての効果としては、お互いの地域の様子を見、そして生活体験をすることで、自分たちが住んでいる地域についての良いところ、悪いところ等多様な観点で感じていることがあげられる。特に金沢小学校の児童にとっては、空気や緑、星空等日頃何気なく過ごしていることについて、都会の子供たちから言われて初めて自信を持ったことの意義は深いものがあると言える。

また、今年は10周年を記念して「緑と光の町へ」という交流のテーマソングが、両校関係者の作詞作曲により出来上がった。このことは、離れていても同じ気持ちの歌を歌うという交流の原点ともいえる事であり、今後の末永い交流により、両校の発展に大きく寄与するものと評価されるものである。

地域レベルでの効果としては、市谷小学校開校50周年記念行事で花泉町の農産物の販売を行なったのを契機に、その後もPTA行事等での継続的な特産品販売が要請される等新たな交流に展開しつつあるところである。

また、ホームステイで交流した家族同士がその後も継続的に交流を深めるなど、子供たちの交流を通じて家族や地域間の交流にまで展開している。

 

4. 交流事業の問題点と今後の展望

この交流も平成10年度で11回目を迎え、事業の効果について両校関係者は大いに評価していることからも、今後の交流の継続について前向きに検討されていると思われる。

しかし、これまでの運営方法での交流継続には種々の問題点が指摘されている。特に手づくりの交流による経済的負担、そして、ホームステイ受け入れに要する労力についての軽減がもっとも必要となっている。このことは両校でも認識が一致しており、無理をせず息切れのない自然体での交流形態が模索されているところである。

また、新たな取り組みとして交流児童0B(第1期交流事業参加児童が現在では22歳前後に)の再訪間の機会の模索、米や野菜などの農産物の産直も検討されるなど学校だけでなく地域全体を巻き込んだ交流の展開により、過疎地域の活性化が大きく期待されているところである。

 

 

 

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