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事例8 青森県・南郷村(人口7,049人 面積91.13km2)

〜ジャズフェスティバルによる都市住民との交流事業〜

 

1. 交流事業の契機

当村は、「過疎」という暗いイメージを一掃することを大きな目的とし、「過疎で元気のない村に活気を呼ぶ音をたてよう」を合言葉に、村内外の若者からかつてのオールドフアンまでファン層の厚いジャズに着眼した。

このような背景から、村外の人に対し「行ってみたい村」として売り込み、多くの人々に実際に村へ来てもらい、村民に多くの人々と触れ合う機会を提供し、村の素晴らしさを内外に広め、交流人口の増加を図るとともに、若者に活動の場を提供することを狙いとし、ジャズフェスティバルの開催となった。

 

2. 交流事業の経過・概要

平成2年10月に村立総合体育館で第1回目を開催し、翌年から会場をカッコーの森エコーランドの野外ステージに移し、毎年夏に開催している。出演者は国内外の一流ミュージシャンで、主な出演者としては日本からは日野皓正、ジョージ川口、渡辺貞夫、松本英彦、北村英二、海外からはロン・カーター、マル・ウォルドロン、ジャッキー・マクレーン、ザ・シュープリームスらがあげられる。またこれから活躍する若手も紹介することにしており、大西順子、原朋直、鈴木重子、山田穣らが出演している。このジャズフェスティバルの開催は、村の若者や各団体等で組織する実行委員会が主催し、準備から当日の受付、楽屋、ステージの運営、駐車場の整理、売店、翌日の後片付けまでボランティアで行っている。このためスタッフ総数は約300人にもなり、村民総ぐるみでのフェスティバルの開催といった感じである。また最近は青森大学をはじめ村外からもボランテイアスタッフとして参加してくれる若者も増えてきている。

 

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会場での特産品販売も人気の的

 

3. 交流事業の効果

今年の開催で第9回をかぞえ、恒例となった夏のイベント「南郷サマージャズフェスティバル」の開催は、全国各地から訪れたジャズファンによってジャズの村としてPRされ、出演者もまた南郷をイメージして作曲したCDを全国発売するなど、全国へジャズの村「南郷」として定着しつつある。村民もまた全国から訪れるジャズフアンを温かく迎えようとする気持ち、村に対する新たな誇りと愛着を持つようになってきている。また、会場内には、農協、婦人会、加工グループ等による特産品等を販売する屋台が設けられ、訪れたジャズフアンとの交流の場となり、またそれをきっかけに新たな特産品が開発され販売されるようになってきている。

ジャズフェスティバルの開催は、村のイメージアップにも大きく貢献し、村を訪れる人々も年々増加してきたことから、都市との交流を目的とした宿泊交流施設、南郷村総合交流ターミナルを整備した。

 

 

 

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