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年間の日照時間が少ないために、稲作や畑作に適さないため、酪農が町の基幹産業であり、また、ブナ自生の北限地であるため、昭和61年頃から「ブナ北限の里づくり構想」を作り、また、町の総合計画のシンボルテーマを「自然にやさしく人にやすらぎの田舎(まち)、ブナ北限の里づくり」と定めた。

天然記念物であるブナ原生林を中心とする恵まれた自然環境や農村風景などを潜在的資源と位置づけ、自然との交流から地域の活性化を促進する体験型・滞在型の地域づくりを目指し、神戸市で木工業を営んでいた西馬昇一郎さんを「北の交流大使」として受け入れ、木工教室の講師として地域住民と交流を続けている。

ブナをテーマにした、様々な活動や情報発信の拠点となる「ブナセンター」で、毎週木曜日に行われているが、参加者は西馬さんの指導を受けながら、イスや棚など自分の作りたいものを自分のベースで作っている。

 

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ブナセンターで開かれている木工教室

 

3. 交流事業の効果

北の交流大使(木工創作活動家)と地域住民との交流の中から、新たな地域文化の創造が図られ、地域住民や都市住民にとっても魅力ある地域づくりを推進することができ、地域活性化につながる。

現在、黒松内町の交流人口は、年間8万7千人ほどであるが、ブナをテーマにした「知的観光」という位置づけで交流人口を増やし、将来は10万人まで増やしたいと考えている。

 

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自分の作りたいものを自分のペースで作る

 

4. 交流事業の問題点と今後の展望

黒松内町においては、今後も木工教室を通して地域住民と交流を続けるなど、魅力ある町づくりを推進し地域活性化が図られる。

平成10年度に始まったばかりの事業であり、行政として支出できる経費区分や職業安定法との兼ね合いなどの問題もあるが、今後の展開を注目するところである。

 

 

 

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