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■これからの交流への提言

 

柴田委員長 時間も大体過ぎたんですけれども、交流ということで一言ずつでもちょっとおまとめをいただければと思うんですが。太田先生から、どうぞお願いします。

太田委員 4つの町村だけしか回っておりませんので、地域差もありますし一概には言えないんですけれども、一般論として感じたことを申し上げますと、交流とは何かという、私はこれを哲学と言ってるんですけど、交流の哲学がちょっとはっきりしてなくて、交流というものの評価が揺れてるような感じも受けました。何かちょっと自信なげなところが。というのはどういうことかなと想像するんですけれども、結局、交流というのは地域活性化のためのものであると。そうすると、どうしても直接的な経済効果を求めたがるところがあると思うんですよね。ところが交流というのは、例えばさっきのカブトムシみたいな、決め手のあるようなところは別ですけれども、一般的に言えばそう経済的に大きい効果があるとは考えにくいし、もっと広い意味で、精神的な効果とか地域活性化に対するもっと広い意味の波及効果ですね。そういうものをもっと評価する必要がある。だけど、それには相当長い期間我慢してやらなきゃならないだろうと思いますね。要するに、もっと交流というものに確信を持って、それを住民にも発信して、こういうことをおれたちはやるんだよということを、もうちょっと深めていったほうがいいんじゃないかなと、そういう印象を持ちました。

柴田委員長 村井先生、特に何かご感想があれば。

村井委員 調査中、過疎対策というのはこれからどうなるんだろうかということを考えさせられたというところが、正直、ございます。去年は集落の問題でした。一昨年が、これも専務理事がおっしゃいましたように、地域の芸能、あるいは文化財なんかを生かしてどういうふうに活性化するか。それは、ある意味では交流の問題でもあったんだというのをおっしゃいました。確かにそのとおりで、改めて過疎化対策としての地域交流というものの持つ意味は何か、太田さんほど哲学的な思考をしたわけではないんですけれど、やっぱり過疎法も切れるという時期に当たって、これからはどういうふうに考えていったらいいのかということが、大きな問題としてあるんだろうと思うんですね。

最初のうちは、これは委員長がおっしゃいましたように、Uターンで、つまりもう1回、少なくなった人口をどうしたら取り戻せるかというふうなことから始まったけれど、結局、それはできなかった、あきらめた。

 

 

 

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