経済的には、これはほかのところもそうなのかなと思うんですけど、里親家庭へ留学児童の家庭から月に4万円支払い、町が2万の補助をするという形をとっているようです。財政的には大した額じゃないわけですけど、子供の確保とホームステイする家庭の確保、両方とも結構大変なようです。将来、その両方ともが難しくなったらどうなるのかなと思いました。寮みたいな施設に受け入れるということに踏み切るのかどうかです。この制度は先ほど言いましたように、1つの学区でやったものですから、その学区の部落長さんとか、そこの選出の村会議員さんとか、それから里親家庭とか、皆さんかなり結束というか、それが強まったと言ってました。地元がきちっとまとまっていないと、こういう制度はとてもできない。この学区には幾つか集落があるわけですけど、そこの人たちの意識はかなり高まっているという成果が出ています。経済的波及効果とか、そういうのはほとんど考えられませんので、意識の面で刺激になっているようです。
柴田委員長 里親をやって相当の労力はいるんだけど、それでもうけているんでないかという批判がされることが、やっぱりあるようですね。それから、町についてもあれなんですね。1人何万かずつ出すような格好になってるんですけれども、どうしてそんなことをする必要があるのという。ただ、小さな学区の単位としては、何とか学校を維持したいと。青野先生のところは20人とかおっしゃっていましたけど、僕の行った和歌山県清水町は、もう既に16人の学校もあるんです。それよりも減りだすと、廃校になる可能性があるんですね。そこで、わりと都市から近いせいもありまして、一種のいじめ問題で不登校になった子供が、お母さんと一緒に転居して……、転居しちゃったらそこに就学義務があるわけですが、滞在して入っているというようなのもあるようですね。
青野委員 子供の住民登録は移さないとだめなんでしょう。
柴田委員長 子供の住民登録は移すんですね。けど、親は移すんでないんですよ、本来はね。
小田切委員 大川村の場合も、結構、財政的な面で、村の負担が大変だという話でした。今、センター方式なので、昼間、教育委員会で勤めて、夜はそちらのセンターのほうで管理人の役割もしています。そうすると、昼間も働いて夜も残業で働いている。その費用だけでも結構ばかにならないような話も聞きました。
青野委員 センター方式ですと、そうなりますね。
小田切委員 それから、最初はこういうような話でもないと、ほんとうに小学校から中学校まで同じメンバーでずっと9年間過ごすわけですが、外からの刺激でいい生徒が入ってくると、もっと勉強するんじゃないかという思惑もあったようなんですが、必ずしもそういう子ばっかり来てくれるわけではないという状況です。やはり委員長のおっしゃったように、地域の中ではいろいろとこれの効果について議論をしたというお話がありました。