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たまたま、同じ時期に銅山が閉山になったということで、そこの鉱山住宅のあった集落を何とかしたいという時期と重なりまして、そこに村としては集中的に投資をしたと。ふるさと公社という財団をつくって、センターと言われるような宿泊施設をつくったり、あるいは水耕栽培ができるようなハウスを建てたり、畜産ができる畜舎を建てたりというようなことをやったんです。そこのセンターを使って、そこで、現在では留学生を受け入れているという方式です。こちらも、最初は里親方式…、家庭に滞在をして、ある一定の期間はセンターのほうへというやり方だったんですが、やはりなかなか引き受け手が見つかりにくくなってきたということで、今はセンターー括方式となっています。

 

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それと、ほかの町村でもこういうやり方はやっているかと思うんですが、まず最初に短期で、例えば夏休みの一週間とか受け入れをして、そこで気に入ってもらった人を長期で受け入れるという形で、二段構えで受け入れを行っています。そういう意味では、よく地域を知ってもらってから、1年なら1年、広がれば受け入れていくというやり方をやっているというのが特徴的かなと思います。

柴田委員長 よろしゅうございますか。では、青野先生も佐賀県富士町でごらんいただいたようですが。

青野委員 きっかけは、先ほど委員長がおっしゃった和歌山県清水町と同じで、小学校の児童数の減少です。町内に4つある小学校区のうちの山間部にある1つの小学校区だけでやってることなんですけど、平成6年からです。これは、1年間の、完全にホームステイ型で里親型です。ただ、原則として小学校に児童を通わせている家庭が受け入れるということになってるものですから、そういう家庭が少なくなってきていて、現在では、最大限7名は受け入れられるということで、5年間の実績で18名を受け入れています。その受け入れ可能な里親世帯が順々に少なくなってきているという問題があります。

もう1つは、留学する子供を確保するということがそうたやすくないようです。「西日本新聞」に広告を出して、その小学校区に山村留学実行委員会があるんですけど、そこで受入れ児童と保護者を面接して決めているようです。必ずしも応募児童が押せ押せの状況ではないようで、そのため、今年度から夏休みの短期留学をやりまして、経験してもらってその中から応募者を得ようというような方式を試みてます。それには、13名が参加しました。この山村留学制度のおかげで、20名から25名しか地元の小学生はいないんですけれども、それに1名〜7名が加わって、複式の2クラスで学校を維持しているんです。木造の校舎で勉強がしたいという子供が来た例もあります。とてもいい、新しい木造校舎なんです。

 

 

 

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