日本財団 図書館


よく例に挙げられますのは、長野県の木曽福島町と東京都の武蔵野市。それから群馬県の川場村と東京都の世田谷区。そういうのが例に挙げられまして、それはかなり前から進んでいるのでございます。

今度の調査でも、幾つかのところで特定の都市を選んだ交流があったのでございますけれども、その中には、特に非常に工夫をしたとか、あるいは相手方が必ずしも都市ではないと、こういうのもあったようでございます。それから特定の都市ではなくて、もうちょっと広げた範囲で考えていこうと、こういうようなものがあったように見受けられます。まず、それを話題にしたいと思いますけれども、大変恐縮でございますけれども、青野先生のいらした宮崎県の南郷村、あるいは東郷町では、こういうような交流が非常に多いようですが、そのうちの国際交流の部分は、また後ほどお話をしていただくことにいたしまして、この特定の都市を選んだ交流、特に東郷町は、北海道幕別町だとか沖縄県宜野湾市というようなところを選んでおるようでございますので、そんなことも含めましてお話をいただけたらと思います。

青野委員 宮崎県の東郷町の例ですけど、ここは北海道幕別町と大分前に協定を結びました。そもそもは、青年たちが北海道の大規模な農業を経験しようということでやり出したんですけど、次第に行く青年がいなくなって、現在は中学生、小学生の交流の場になっています。

 

203-1.jpg

 

きっかけは、東郷町には歌人の若山牧水の生家がありまして、彼は小学校までそこに行ってました。祖父の代から医者をやってるわけですけど、その若山牧水の歌碑が幕別町にあるということが縁で協定を結んでいるわけです。中学生が10名ほど向こうへ行って、向こうからは小学校の5〜6年生を受け入れるという形です。こちらではホームステイをしたり、向こうでも、大規模な農業、特に酪農とか甜菜をやっているんですが、それを体験させて、ホームステイする。向こうへ行ったついでに、札幌とか小樽を見てくるというのも入れているようです。

宜野湾市との交流については、戦争中に沖縄の児童が学童疎開で九州に大分来てたわけで、それが縁のきっかけです。そのとき来た人は、今では60前後ということなんでしょうけど。現在は、小学生の交流です。受け入れてホームステイをするという形になりますので、ホームステイを受け入れる家庭が少なくなっているというあたりが問題となってはいます。希望する者のうちから何人かを、10名とか、そういう数で向こうへ送って、向こうからこちらが受け入れる。夏休み中にやっています。恒常的に毎年行われていて、行ったことのある子供たちはかなりの数に上っていて、視野が広がったという評価を町のほうではしてました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION