就業人口もまた昭和60年以後大きく減少している。また、就業人口の日々の通勤移動はかなりの規模である。就業のために町外へ出る人口は東郷町常住の就業人口の36%、就業のために東郷町へ流入する人口は東郷町で就業する人口の25%を占める。この流出入先の大半が日向市である。流入就業人口の71%が日向市から、流出就業人口の72%が日向市へ、である。東郷町は就業人口の移動では378名の流出超過であるが、そのうちの日向市に対する流出超過は272名で72%を占める。東郷町の東部は日向市の通勤圏内に組み込まれている。
常住就業人口から見る限り、東郷町においては、表1に示されているように、農業に替って製造業およびサービス業のある程度の発展が見られる。しかし農業は、依然として、当町の主力産業であることには変わりがない。平成7年現在、全世帯の50.4%が農家で、全人口の60.5%が農家人口なのである。農業は、ブロイラー(平成7年38.6億円、農業粗生産額の66.1%)、米(4.6億円、8.0%)、みかん(3億円、5.1%)、肉用牛(2.3億円、4.1%)などの生産を基幹とし、施設野菜・花卉栽培も行なわれている。
製造業の事業所は平成7年末で17を数え、従業者数は435。ここ数年大きな変化はない。医療機器メーカーや木材加工企業の誘致によって雇用を創出しているが、厳しい経済情勢の下で、耳川流域木材加工団地32.9haへの誘致は進んでいない。