2 「牧水のふるさとづくり」
東郷町は旅と酒の天才歌人若山牧水の生誕地である。牧水は、当地の2代にわたる開業医の長男として明治18年に生をうけ、地元の坪谷小学校を卒業後は当地を離れ、延岡中学から早稲田大学へと進んだ。大学在学中より創作活動に入り、数多くの歌を残して昭和3年、43歳で没した。
弘化2年(1845年)に牧水の祖父によって建てられた牧水の生家は、ほぼ生誕時のまま保存されており、昭和42年に県の文化財に指定されている。牧水関連の主な事項を年次順に表3に示した。昭和57年度から始まった、山村都市交流を目的とした諸施設を含む牧水公園の整備事業は、総事業費約15億円、16年の歳月をかけて平成9年度に一応の終結を見た。その間に、毎年9月17日に催される「牧水祭」の他に、生誕百年祭、牧水のうたの夕べ、牧水サミット・シンポジウム、生誕110周年牧水祭が開催され、牧水賞が制定され、牧水公園が各種の賞を受賞した。
牧水公園は「牧水のふるさとづくり」を象徴する公園で、表4に示すような多岐にわたる諸施設が整えられている。ここが種々の交流事業の会場となっている。