今回の調査の対象となる「交流事業」は、この3.の施策のひとつの「域内や域外の交流の推進」として位置づけられている。その想定される事業計画等には、1) 国際人育成教育事業、2) 都市との交流促進事業、3) 活動グループの育成支援、4) 大学・企業等の研究施設・実習施設の誘致、が挙げられている。
実際に行われている交流事業としては、フランスのクサック村との交流と、田舎と都市のふれあい祭りの実施とがある。
2 フランスのクサック村との交流事業
「ふるさと創生事業資金」の1億円を、三瀬村では温泉の試掘と人材育成事業に当てている。この後者の人材育成事業として、町立三瀬中学校の生徒と、フランス共和国ジロンド州クサック村の小中学生を、隔年に交互に招きあってホームステイさせ、交流をさせる事業と、後継者育成のために成人男女を海外へ派遣して研修させる事業(これまでの派遣先:中国・マレーシア・シンガポール・ニュージーランド)とが実施されている。後者は「交流事業」ではなく、一般の「海外研修事業」であるので、ここでは前者についてやや詳しく見ることにする。
(1) 交流に至る経緯
三瀬村は、ワイン産地として有名なボルドー市近郊のクサック村と、昭和63年4月に、文化と経済の相互交流・相互理解を目的とした姉妹村の提携関係を結んだ。これは、観光と農業を結びつけた村づくりを模索する中でなされたものである。その事情は、村の文書「三瀬村とフランス共和国クサック村とが姉妹村を提携するに至った経緯並びにクサック村の概要」に詳しい。それは、次のように記されている。