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「村営牧場の活性化を図るために、広大な自然と放牧牛の観賞を目玉にした観光客の誘引、いわゆる農業と観光の結びつきを計画したが、単に施設を解放するだけでは現在のファミリー層など若い世代に訴えるインパクトが弱いので、国際化時代に対応した村づくり、即ち外国の田舎に共通点を探し、これを三瀬と混合させることによって新しい田舎を創出することを検討した。住友商事株式会社の御尽力によりフランス共和国のボルドウ商工会議所と接触する機会を得たが、ボルドウ市が福岡市と姉妹都市を提携されている関係から、近郊の村クサックを候補地として紹介され、昨年11月初旬視察のため訪仏した処、クサック村長を始め村の有志一同が極めて好意的で、早急に姉妹村を提携したい旨の申し出を受けた。

クサック村はボルドウ市の北西37kmに位置し、ジロンド川沿いのメドック地方ぶどう産地の中心にあり良質なワイン産地の他、畜産業、野菜栽培を営む人口1200人、総面積200haの農村である。(因みに当三瀬村は人口1875人、総面積4074ha)両村とも小村ではあるが、相互に文化と経済を交流し理解を深めることで、小は小なりに国際親善の一端を担いたい所存である。」

 

(2) 事業の実施と実績

この交流事業は、このクサック村との姉妹提携が結ばれた翌々年の平成2年度から開始された。隔年で相互に児童生徒を派遣・受け入れる方式である。三瀬村からは、平成2・4・6・8・10年度に中学生を派遣し、これまでその数は合計42名である。費用は村費9割、派遣中学生の父母負担1割である。派遣者数は、予算の制約から原則として中学1年生4名、2年生4名、引率者2名(学校関係者1名・その他1名)、合計10名である。予算は500万円。クサック村の小中学生を受け入れる年度には、青年海外研修事業を合わせて実施しており、予算は毎年500万円が計上されている。事業費は「ふるさと創生事業資金」の果実を当てているが、このところの低金利のため「資金」の一部をとりくずして使っている。

事業主体は、町長を会長とする「三瀬村ふるさと創生人材育成事業協会」である。

期間は8月中の9日間で、その日程は、年度によって若干の違いがあるが、平成8年度について示せば次の通りである。

 

8月14日(水) 福岡発→成田→パリ着

15日(木) パリ見学(泊)

16日(金) パリ発→ボルドー(見学)→クサック村着

16日〜19日(月) ホームステイ(3泊4日)

 

 

 

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