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3 ファーブルの森づくり

 

谷間の林間地の約2反の湿田跡を見おろす道端に、「ファーブルの森アルマス」の看板が立っている。ここがファーブルの森づくりの第一歩が印されたところである。ここを中心に面積が増え、やがては木々も生い茂って昆虫の楽園となるのだろうか。道は遠いが、その方向性には確かなものがあるように思える。この地を中心とした人びとの交流が始まっている。

 

(1) 契機と組織の結成

平成3年6月に、「ふるさと創生事業資金」を活用して村づくりの人材養成の一環として4名の青年をフランスへ研修派遣し、「ファーブル昆虫記」のゆかりの地セリニャン村を訪ねてきたことがきっかけとなり、彼らの帰国後に「虫めがねの会」が結成された。なお、セリニャン村へは、10年前ほど前のNHKテレビでファーブルを特集したコーディネーターに依頼して訪問したいきさつがある。

建設が予定されている嘉瀬川ダムを中心に、ゴルフ場の乱開発などから町内の豊かな自然を守っていこうという気持が、ファーブルとむらおこしを結びつける背景となった。

平成3年11月には、セリニャン村から村長とファーブル博物館長を富士町に招き、翌4年3月には同村より4人の来訪者を受け入れるなど、交流が進展した。同年11月には、「むしめがねの会」を核として「ファーブル友の会」が結成された。この会は、日本で唯一の「ファーブル友の会」で、世界規模の「ファーブル友の会」の日本支部とも言うべき組織である。

 

(2) 「ファーブル友の会」の規約

「ファーブル友の会」は24条からなる「規約」を持っている。それによると、会の目的および活動は次の通りである(規約第3条)。

 

1. ジャン・アンリ・ファーブル及び昆虫等に関する研究活動

2. ファーブルの森づくりに関すること

3. 自然の好きな子供たちの作品展・昆虫教室・自然観察会等の行事を行い健全なナチュラリストを育てること

4. 公的機関等に地球環境保護に関する働きかけを行うこと

5. フランスファーブル友の会との交流活動に関すること

 

 

 

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