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ゲストの数は表2に示したように毎回10数名となっている。顔ぶれは多彩で、何人かを挙げると、監督では野村芳太郎・岡本喜八・大林宣彦・山田洋次・熊井啓・深作欣二・鈴木清順、俳優の中には菅原文太・永島敏行・原田芳雄・奥田瑛二・佐野史郎・藤真利子・香川京子、さらには作家の笹沢左保・北方謙三の名も見られる。

 

表2 富士町、古湯映画祭のテーマ・参加者数等

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(3) 実施主体と2人の映画関係者

映画祭の実施主体は「古湯映画祭実行委員会」である。委員会の会長は富士町の町長が職務上努めている。実行委員の多くは若者で、その数は、今年の第15回を例にとると、60名に近い。そのうちの約半数が町外の人だという。映画祭が定着する過程で、町外から参加した人たちである。

この実行委員会の中核となっているのが、地元の映画愛好者20数名からなる「シネマ倶楽部富士」である。これは第1回映画祭(昭和59年7月)が終わった後の9月に、次年度以降の取り組みを模索する中で、地元の青年団の協力を得て結成された。その目的は、映画を通しての地域活性化と地域文化の向上である。

ここまでこの映画祭が回を重ね、定着したイベントとなったのは、「シネマ倶楽部富士」と「実行委員会」の積極的な活動があることは言うまでもないが、早くからこの映画祭にかかわった2人の映画関係者-映画評論家の西村雄一郎氏と製作の小林絋氏-の存在がある(現在、両氏は実行委員会の「顧問」)。

小林氏は第1回より、地元佐賀県出身の西村民は第2回より参画し、映画祭のテーマや上映映画の選択、招待する監督・俳優を初めとする映画関係者との交渉などに協力と助言を行っている。

 

 

 

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