(5) 住民参画の状況
平成7年度までは、センター方式と里親方式を併用していたので、村民が児童・生徒を受け入れる里親として、この交流に直接参加をする機会はあったが、現在のところは、直接接するという機会はなくなっている。
2-1-4. 苦労・工夫した点
山村留学制度を始めた頃は、特に長期留学において留学してくる生徒はいわゆる不登校児が多く、当初村が期待していた交流による生徒同士の活性化には直接寄与しないケースもあったようである。
また、長期留学の場合生徒一人当たり年間66万円(8月分を除く)の自己負担があるものの、財政面での村の負担は、かなりのものになっている。村民感情としては、もともとの村民でない人に何故それだけの費用をかけるのか、という気持ちもあるのではなかろうか。また、参加者にとっても月6万円は決して気軽に出せる額ではない。
実際に高いという意見も村には寄せられているようであるが、村の負担を増やすことは難しい状況である。
山村留学制度を導入している自治体は、全国で100個所を超えており、自治体同士での競合も課題となっている。募集や啓発活動をしても、いざとなるとなかなか希望者が集まらない状況である。
2-2. 交流の効果
参加した児童・生徒にとっては、センター方式を取っているため、寄宿舎では異なる学年の生徒が共同生活を送ることになる。そのため、他人との関わり方や、親の有りがたさ等がわかる場になっているという。
受け入れる側の村の子供たちにとっては、毎年新たな留学生を受け入れることで刺激を受けるようになってきたという。このような制度がなければ、義務教育期間中はほとんど転入もなく、同じ仲間たちだけで過ごすことになりかねない。留学生を受け入れることにより、村の子供たちも刺激を受けているという。
また、里親制度をとっていた時の留学生の中には、成人しても里親との交流を続けている留学生もおり、息の長い交流につながっているケースも見られる。
2-3. 問題点・課題
当初の村の目論見であった人口増には直接寄与しているとは言い難いものの、毎年数名の留学生を迎え入れてきており、児童・生徒への刺激という点では、一定の成果を上げてきた。