(資料:国勢調査)
2 過疎対策の方向
こうした過疎化、高齢化に取組むために、当町では昭和63年、第三次総合振興計画を策定、これに合わせて「石見町南部地区開発計画(「ラブリーグリーンパーク石見」)」を立て、南部の原山(888メートル)山麓一体を、「いこいの村しまね」をふくめ、広域リゾートゾーンとして整備することに着手している。この計画は平成8年、島根県から総合保養地域整備法の重要整備地区として指定を受け、島根中央リゾート構想の一翼をになっている。その一環として、今回取上げる「ゆとり体感inアロマティック石見」事業の場となった香木の森公園も、平成3年に開園しており、森林空間を活用した広域的・総合的な「ふるさとリゾート事業」の整備が進められている。
南部地区にこのようなグリーンパークの整備が打ち出された背景に、最近顕著となって来た、都市住民の自然回帰、農村志向の高まりのなかで、都市住民との交流を進め、できることならばその定住化を促す-そうした事業を通して地域の活性化を図るという、いわゆるグリーン・ツーリズム政策への傾斜があることはいうまでもないが、それを促した現実的要因は、高速浜田自動車道の開通にあった。
石見町へのアクセスは、地図からも知られるように町域外の北を東西に走る、JR芸備線につらなる三江線(江津-三次)と、町域東部を国道261号線が通っている程度であり、まことに不便であった。それが南方を東西に走る中国自動車道につづき、その中国自動車道の千代田JCTをへて浜田へ通ずる高速道路が開通した。この浜田自動車道は瑞穂町の西南部をわずかにかすめるだけであるが、瑞穂ICへのアクセス道路を利用することで、石見町も容易に浜田や広島、ことに百万都市広島へ1時間半でつながることになった。