当町の基幹産業は米作を中心とする農業にあり、広島など瀬戸内海都市部への食料供給生産地としての役割を果して来た。しかし農業従事者のうち専業はごくわずかであり、ほとんどは一種、二種の兼業農家である。しかも就業者の過半は65歳以上の高齢者によって占められている。石見町だけではないが、日本の農業がかかえている深刻な問題がここにもある。ちなみにこうした第一次産業就業者は昭和45年で3,012人だったものが平成7年では1,047人と65.3%も減少、その分第ニ次産業で同じく376人から1,106人へと増加、第三次産業が1,154人から1,619人となり、平成7年現在で、それぞれ27.8%、29.3%および42.9%の比率となっている。これもほぼ過疎地に共通する数字といってよいであろう(表1)。