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このうち(1) の基礎調査は広島県立大学岩谷三四郎教授らによって行われ、その成果は平成7年3月、「エメラルドシティプロジェクト報告書-広域行政のニューウェーブを目指して-」(課題と基本方向、現況、構想および資料から成る)として提出され、その後における議論の指針とされている。また構成市町村をまわり、行政が地域住民と地域の問題を語り合う「地域のフォーラム」は平成6年8月を皮切りに、「どうなる中山間地の農林業」「人が集まり、定住する町おこしの可能性」「森の水源のまちからのアピール」「人に優しい地域づくり、高齢化社会への提言」など中山間過疎地の問題を論議することを通じて、サミットの意義の共通理解を深めている。別表(表1)として掲示したのが県境サミットの理念や方針であるが、基本的な立場がよく分る。

平成6年9月に第1号が出され、毎月発行されている「県境サミット通信、エメラルドNEWS」の果して来た役割も大きいだろう。間もなく50号を迎えようとしている。

「県境サミット通信」とは別の意味でユニークなのが前掲(4) の「圏域マップ、施設共同カード」の作成であろう。平成7年1月以来、毎年発行されているが、これを「エメラルド・パスポート」と称し、パスポートサイズの、手に取って楽しい圏域内観光案内書(観・遊・食・泊など)に編集されている。県境をこえて利用されるのでパスポートとはうまくいったものだが、このパスポートだけでなく県境サミット事業全体をエメラルド・プロジェクトと称するのも関係者の知恵を示している。

私たちは日南町役場で、当初からこの事業に携って来た増原聰氏の説明をうけたのだが、県境サミットの理念として、構成市町村はパートナーであってライバル、ライバルであってパートナーでありたい。

 

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ここでは年々厚く大きくなるエメラルド・パスポー卜

 

 

 

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