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集落住民有志で構成する五郷地区過疎対策委員会は、学校の存続と活性化のために山村留学を進めることを考え、昭和57年から山村留学をとり入れている和歌山県かつらぎ町などを視察し、昭和63年からとり入れた。以後累年の山村留学の受入れ数、村のこの事業に対する支出は、表5のとおりで、このところ、受け入れ数と関係なく、年額20万円で、地区では、半分の10万円を学校に渡し、半分の10万円を里親対策費として、里親どうし、里親と父兄との交流・協議やPRに使うとのことである。

 

表5 清水町の山村留学関係予算等

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なお、児童の父兄が食費等として里親に支払うのは、月5万円という。

里親に預ける場合ばかりでなく、保護者が児童をつれて、就学期間、一時居住して山村留学していることがある。調査に当って協力して下さった母親の方(仮りにAさんとする)も、そのひとりであった。Aさんは、和歌山市郊外のお寺の娘さんであるが、お子さんに不登校の傾向があったので、それを治癒すべく、お子さんをつれて五郷地区に住んだという。結果的にお子さんにはよかったので、一度、和歌山市に戻っていたが、Aさんの父が亡くなり、Aさんのご主人が住職をついだ後、また、五郷地区に来て、下の子供を山村留学させているとのことであった。

かつて里親をされたことのある方(男性)にもお目にかかったが、何人かを同時に預かるのだが、責任が重く、不安も大きく、なかなか苦労で、多少の収入があっても、もう御免だということであった。

 

 

 

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