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耕地面積、農業粗生産額の推移をみると、表2でみるように、粗生産額の総額は時価ベースで一旦上昇した後、昭和45年と平成7年とがほぼ同額になっていること、桑は連年激減していること、畜産は一旦上った後急減したこと、耕地面積は激減し、25年間で半減したことなどが注目される。

 

表2 農業粗生産額の推移

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2 交流事業の現状と課題

 

四賀村は、自然景観にめぐまれ、交通の便も車社会の今は、それほど悪くもないが、養蚕が不振となってからは、農業もパッとせず、取り立てて目立った観光資源もなく、どちらかというと、中途半端な環境にあった。

恵まれた自然を活かして村を活気づけることができないかと村民の有志が考えていた。後に、平成3年4月から村長となる中島氏(全国養鶏経営者会議会長)がヨーロッパを歴訪した折、市民農園(クラインガルテン)に感銘を受け、是非日本でも実現させたいと考えていた。

四賀村では、昭和60年に有機野菜の栽培事業が始まり、有機無農薬農業の実践団体「アルプス自然農法研究会」が発足していた。生産された有機無農薬野菜は都市住民に提供され、消費者の都市住民が生産地の四賀村を訪れて、有機野菜や自然食品が生産されていく過程を見学・体験する交流会が開催された。

このような交流を通じて、都市住民から「自分自身で有機野菜を作って味わってみたい。」「週末には四賀村のようなのどか田園で生活したい。」「四賀村民ともっとお付き合いがしたい。」という強い希望がだされ、四賀村のクラインガルテン事業出発の契機となった。

 

 

 

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