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・第三セクター「常葉町振興公社」を設立(平成元年)。

・日本初のドーム型「カブトムシ自然観察園」を建設(平成元年)。

・カブトムシ親善大使を派遣(平成元年、以後ほぼ毎年。小学生が中心。5〜24名)。

・マレーシア、スンガイリマウ小学校より児童を招待、交流(平成5年)。

・マレーシア、スンガイバサー町と友好提携調印(平成7年)。

 

(5) 効果、成果

カブトムシ作戦のターゲットは直接的には子供であるが、子供だけでは来られないので、家族が一緒に訪れる。そこから地元と訪れる人たちとの交流が始まるという効果が期待できる。

直接的な経済効果としては、カブトムシ幼虫の販売による農家収入(約300万円)、宿泊、研修施設の利用収入などがあるが、それ以上に、カブトムシ事業を通じて同町が全国的に「カブトムシの常葉」として知名度が高まったのが大きい成果である。平年で約20万人の人々がカブトムシ自然王国を訪れている。知名度が高まったことで、 Iターン・Uターンなどの効果も出はじめている。

経済効果とともに、精神的効果も大きい。地域資源の再発見で自慢の出来る町、だれもが住みたくなる町という誇りと自信を地域住民に与えている。

 

(6) 問題点、課題

カブトムシは夏の1〜2週間しか生きられない短命で、通年性がないのが泣きどころである。このため、観察ドームやカブト屋敷などいろいろな施設をつくって通年性の確保に工夫をこらしている。一方で、短命のカブトムシの短所をカバーするものとして、「クワガタムシ」の開発が検討課題とされている。クワガタムシは長命で、特に大クワガタムシは7年も生きるが、値段も高い。

カブトムシ自然王国の管理、運営は常葉町振興会社に委託しているが、その年の天候に左右されたり、交通網の整備、週休二日制の風潮などもあり、その運営に今後の課題が残っている。

 

3 中通り・浜通り(阿武隈圏域)圏都市と農山漁村の交流を推進する会

 

平成6年2月、阿武隈圏域(中通り、浜通り)の13町村を会員としてスタート、継続中である。近隣2郡(田村郡、双葉郡)の町村の広域連携で組織されている。会の発足により、会員間の交流が図られ、広域的な事業や情報交換、産品開発も行われている。

 

 

 

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