事業活動は圏域町村の特産品の展示販売が中心で、その一つとして東京世田谷区の祖師谷大蔵にオープンしているアンテナショップを活用して特産品の展示販売を行いながら、交流を通して圏域のPRをしている。交流相手は女性の中高年層が中心となっている。
ただ、会員13町村それぞれの特徴があり、特産品にしても各町村を代表するものがバラバラで、「あぶくまブランド」として売り込むには問題が残るという悩みがあるようである。また、イベントのみで終わり、一方通行で相手との往来がなければ意味がないが、ではどんなよい方法があるか、模索段階にあるようだ。
・会員町村名〜三春町、小野町、滝根町、大越町、都路村、船引町、楢葉町、富岡町、川内村、双葉町、浪江町、葛尾村、常葉町。
(平成10年7月現在)
4 コメン卜
(1) カブトムシを通して「常葉町」の名が全国に知られ、年間20万人訪れるなど、“カブトムシ”効果の大きさが印象的である。農業面では無用の長物として捨てられていたカブトムシを活用し、町の産業おこしの核として成長させたカブトムシ大作戦の着眼と努力は高く評価される。「カブトムシ自然王国」という発想も面白い。
子供が直接のターゲットだが、子供だけでは来られないので親がついてくる、そこから地域の交流が始まる、という発想もいい。まだ、王国は整備の過程にあり、今後、地域の美しい自然を生かし、「カブトムシ+α」としてどう展開していくか、注目したい。
(2) カブトムシは活性化への決め手となったが、一方でこの虫は短命で夏の限られた短期間しか生きられない。通年性がないのが泣きどころである。これをカバーするため、長命の「クワガタムシ」開発に取り組んでいるが、この新戦略が成功するかどうか、さらなる活性化への期待が高まる。
(3) カブトムシに関係、関心のある全国の市町村が参加するカブトムシのサミット、シンポジウムを企画してみるのも面白いかもしれない。
(4) 王国にポニー乗馬場があるが、子供に喜ばれるので、乗馬コースを延長し有料性を高めることも一案か。
(5) スカイパレス等の子供の土産品がややマンネリで購買意欲をそそらない印象も受けるが、どうだろうか。虫や馬と関連させるなど、売れる品物を工夫したい。
(6) 「中通り・浜通り(阿武隈圏域)圏都市と農山漁村の交流を推進する会」の活動イメージと方向性がいま一つはっきりしない印象を受ける。これまでの活動を総括して、方向性の論議を詰める必要はないだろうか。広域連携型での交流の場合、どんな方法が考えられるのか、あまり前例がないだけに、試行錯誤で挑戦してみたい。
(参考文献)
常葉町勢要覧
常葉町のまちづくり
広報ときわ