日本財団 図書館


2-2-2. 相手からの評価

参加者からは、安い費用で一流の指導が受けられるということで好評を博している。1回参加すると、その後も継続して参加している人も多く、リピーターの獲得にも寄与している。

参加者の有志が集まり、参加者間の交流を深めたり、記念誌を作ったりという独自の動きも出てきているという。

 

2-3. 問題点・課題

 

セミナーの参加者には、原則町内への宿泊をお願いしているが、セミナー期間中はどこも満杯であり、宿泊斡旋が困難な状況となっている。

また、苦労した点でも上げたが通訳確保の問題や、会場手配の問題、財政面での負担の問題などがあるという。

会場もホールだけでは足りず、学校や体育館なども利用しているが、本格的なセミナールームでの開催を望む声もあるという。また、セミナー期間中は、この事業のために町内主要施設が使われてしまうため、この時期、他の事業開催に支障が出ることもありうる。

また、長引く不況で参加者の減少も懸念されるところという。道外からの参加者も多いため、航空会社とタイアップし、片道25%offの航空券を販売しているが、平成10年度もなかなか参加者を集めることができなかったという。

 

3. 交流事業の推進方策とそのあり方

 

女満別町で取り組んでいる交流事業は、全国的にも意義のある取組みであり、過疎の町で15年近く前から継続して取り組んできたことは評価することができる。ただし、その内容が専門的であるため、なかなか地域に受けられにくいという面もある。町民に親しんでもらうために、コンサートや小中学校生を対象にしたクリニックの開催など工夫はしているものの、この努力は引き続き行って行かなければならない。

また、女満別町だけでなく、全国各地で同じような企画が行われるようになってきており、先進事例としては、生き残りをかけて特徴を出していかなければならないだろう。

女満別町の場合、交流は地域づくりのポイントとなる施策であり、この事業はその顔となる事業である。この波及効果が、セミナー期間中の3日間だけで終わるのでなく、他の交流事業や議会宣言のもう一つの柱である「花(農業を始めとする産業)」とのつながりが出てくるようなしかけが求められている。

この事業は、地元放送局の試算では、約3000万円ほどの効果があると言われている。事業実施に対し、道や国からは特に支援を受けておらず、受講生負担分と企業や民間助成団体からの支援以外は、町からの補助で賄われている。国や道からは、事業直接に対する支援もさることながら、事業を支えるための環境づくりへの支援、例えば、セミナー参加者の宿泊場所の確保などへの支援も期待したいところである。研修・レクリエーション基地化構想の実現のためにも、バックアップを期待したい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION