万里の長城築城事業も町民向けの事業とはいえ、後半で取り上げるように都市住民の参加も多い事業である。そういう意味では、農林業の振興を中心としながらも、これらの取組みは交流の観点から再編したものであり、交流事業はまちづくりの中でも重要な位置付けとなっている。
2. 交流を通じた地域活性化への取り組み
2-1. 万里の長城築城事業の実態
2-1-1. きっかけ
昭和56年から展開している「ふるさと運動」の中の一つがこの事業である。当初は町民のまちづくりへの意識高揚のための事業として始まった。
当時、国営農地開発で農地造成中に出た岩石の処理に困っていたところ、当時たまたま町職員が中国の万里の長城を視察したのをきっかけに、不要な石を万里の長城のように石積みをしていってはどうかというアイディアが出され、実行されることになった。築造場所は、市街地に近く、町のシンボル的な公園となっている桜ヶ丘公園の敷地を囲むような形で行っている。