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1)補聴援助システム(assistive listening devices and systems;ALDS)の普及には法律等による強制が絶対に必要である。

「完全参加と平等」の国際障害者年や国の障害者プラン、全国各地での「福祉の町づくり条例」の制定などにも係わらず、聴覚障害者のなかで大多数をしめる難聴者の聞こえの確保、そして社会参加になくてはならないALDSの普及が一向に進まない。

県レベルでも市町村レベルでも、各地で次々と豪華な建造物がつくられているのにである。マスコミなどでバリアフリーという言葉を見聞きしない日はないのにである。難聴者の補聴器問題やALDSに熱心な協会のある地域では、行政も関心をもたざるをえず、ALDSの設置も段々と拡がっているが、補聴聞題に取り組んでこなかった地域では、障害者の暮らしやすい社会づくりがいわれるなかでも、ALDSが拡がらない。

難聴者協会の多くは、新聞などで新しくホールなどが建設されることを知って、はじめて県庁などの関係機関へ頼みにいっているというのが実情であろう。これでは磁気ループや赤外線などの補聴援助システムは何時までたっても、あまり普及しないだろう。福祉の町づくり条例などでも、ALDSについての記述は探すのに苦労せねばならないというのが実情であろう。長年にわたり「難聴者桟敷に放置されてきた我々の音響環境を難聴者も暮らしやすい」ものにするには、一朝一夕にはいかないだろう。

法律などの強制力なしには、難聴者の音響環境の改善は絶対に不可能と思われる。何度も言うように、ALDSは非常によく聞こえるように出来なければ意味がないのである。ALDSの設置を義務づける法律が出来たとしても、長年にわたり放置されてきた環境整備が一気によくなるとは思えない。聞こえの芳しくない施設を沢山つくってしまっては、困るので、数値・時限目標を定めた法律等が望まれる。

磁気ループ、赤外線、ワイヤード、FMなどが適切に設置、配置されるならば、日本の難聴者の聞こえは一挙に進むであろう。ALDSといわれる磁気ループ、赤外線、ワイヤード、FMは、そんなに高価ではない。財政を圧迫するなどとは関係がないのである。

現在、全難聴などによって「聴覚障害者の社会参加を制限する法律の早期改正を求める運動」が全国で強力に進められている。確かに、これは大切な運動であり、早期の実現が待たれる。が、法律を制定することによって、ALDSの設置を義務づけてこなかったということは、人権の侵害であり、法律による差別だと私には思われる。全難聴は直ちに総力を結集して、ALDSの設置を義務づける法律の制定に動くべきであろう。

 

2)聾唖者には手話通訳者、中途失聴者には要約筆記通訳者が対応しているが、難聴者のためには補聴援助奉仕員がほしい。

今すぐに全ての施設に、ALDSを設置できる訳でもないし、また、全ての部屋に設置型のシステムを付けることは必ずしもよいこととも思えない。誰でも考えることですが、女性のバッグに入るような携帯用の個人〜小人数用のALDSがあれば、ALDSがない会場でも理屈から申せば聞こえを確保できる訳である。

ということで、2年前に、携帯用の個人〜小人数用のALDS(ループ、ワイヤード)を沢

 

 

 

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