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2. FM補聴システム

 

FM補聴システムとはFMラジオ放送と同じ仕組みです。話者の声を放送局(送信機)から電波で飛ばし、それをFMラジオ(受信機)で受け、話者の声を聞きます。このFMラジオと補聴器を接続したり、音を増幅する機能を持ったラジオ(FM補聴器)を使うものをFM補聴システムと呼びます。近年、FM受信機を内蔵した耳かけ形補聴器が製品化され、問題点は改善されつつあります。年々新製品が生まれ、これから利用範囲が広がっていくであろうと思われるシステムです。

FM補聴システムは大きく二つに分けられます。一つは補聴器本体にFM電波の受信装置が内蔵されているというFM補聴器を利用する方法。もう一つはFM波の受信機に補聴器を接続する方法です。

 

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[図:FM補聴システムの仕組み]

 

2-1. FM補聴器

 

FM補聴器(FM受信装置が内蔵されている補聴器)は、FMワイヤレスマイクから発信された信号を、耳かけ形補聴器で受け、増幅して耳に届けることができます。このため、FM補聴器には、FM電波を受信するための小さなアンテナがついています。耳かけ形FM補聴器は、スイッチの切替によっては普通の耳かけ形補聴器としても使用できます。また、近年、国産のポケット形FM補聴器が市販され始め、テレビの音を開くシステムとして多用されるようになりました。一部のワイヤレスマイクは外部入力端子を備え、テレビやカセットデッキの音をFM電波として流せるトランスミッタ機能を持っています。この機能を応用し、話者が多数の場合に有線マイクを併せて使い、会議補聴システムを組むことも可能です。多数のFM送信機を同時に使用すると混信が起きるために、同時使用できるチャンネル数には限りがあります。そこで、クリスタルブーツと呼ぶ周波数変更用シューを用意しているFM補聴器も市販されています。

 

 

 

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