<スイープ>
全チャンネルのT,Cレベルの電流量を調べ終わったら、チャンネル間で大きさのバランスをそろえるスイープという作業に入ります。これは、先に述べたように、ことばや物音は様々な周波数の組合せでできており、マイクで拾われた音は人工内耳で周波数分析され、割り振られた周波数を担当するチャンネルのレンジの範囲で、電気刺激に変換され聴神経に伝えられます。従って、各チャンネルから出る音の大きさがまちまちだと、音が歪んだり別の音に聞こえてしまうのです。それを防ぐため、チャンネル20からチャンネル1まで順番にCレベルの電流量を流し、それで感じる音の大きさを比べてみて、ばらつかないように大きさをそろえていきます。一度に20チャンネル全てを通して聞く方が良い人もあれば、隣り合う電極2本づつを比べないとわからないと言う人まで様々ですが、このスイープという作業は、先のT,Cレベル測定に比べ、多くの患者さんにとって難しいようです。というのも、チャンネルが変わると音の高さが変わるだけでなく、音質も微妙に違うことがあるそうで、そういう音の高低や太さ、細さといった違いのあるものを、大きさという側面で比べるのはとても難しいといわれます。
Cレベルの大きさをそろえたら、50%スイープといって、Tレベルの電流にレンジの50%の電流量を上乗せした電気刺激を、チャンネル20から順に流し、やはり同じ大きさで聞こ