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人工内耳のマッピングの実際

 

京都大学大学院医学研究科聴覚・言語病態学領域

山口 忍

 

患者さんは、人工内耳を埋め込んでから、だいたい10日から2週間後に音入れと呼ばれる初回のマッピングを受けます。この項では、現在日本で最も多く使用されているコクレア社の22チャンネルシステムのマッピングについて、成人の場合と幼小児の場合とに分けてご説明します。

 

1. 成人のマッピング

<T,Cレベル測定>

ことばでやりとりの出来る成人(学童も含む)のマッピングでは、埋め込まれた電極の一本一本に電流を流し、かすかに聞こえたという感覚の起こる電流量(Tレベル)と、やかましくなく大きく聞こえる電流量(Cレベル)を調べ、その患者さんのT,Cレベルを決めていくところから始まります。測定を始める前に、表1の測定カードを患者さんの前に置き、聞こえの変化を指さしなどで示すよう指示します。多くの患者さんは電気刺激が増大するに伴って、聞こえの方も段々大きくなるように感じますが、先天聾や言語習得以前に失聴した成人の患者さん、レンジ(TレベルとCレベルの幅)の非常に狭い方の中に、電気刺激量を上げないのに音量の増大感が起こることがあります。

 

表1

062-1.gif

 

<電流の流し方・(モード)>

通常のマッピング時、電流は、+極(活性電極)と-極(不活性電極)の間に一本電極をはさんで流します。即ち、1番の電極を+にしたら2番ではなく3番を-に、2番の電極を+にしたら3番ではなく4番を-にするというようにして電流を流し、埋め込まれた電極が

 

 

 

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