9. 組立法
造船所によって船殻の組立法は異なる。造船所の設備,ブロック工法を採用するのかどうかなど、造船所のプラクチスによっても,建造する船の大きさによっても違って来るから、ここではパイ形材を使用する場合の一例を説明するに留める。但し従来の溶接組立法(以下パイ形材を全く使用しない方法を指すことにする)とパイ形材法(以下パイ形材を全面的に採用する工法を簡単にこう呼ぶ)とでは、後者が外板や甲板に小骨が事前に取り付けられているから、ブロック建造法に馴れているところでは、殆ど変更なしで組立てることが出来る。
1)船底 船側 甲板の 3平面ブロックとする。
2)船底フロアプレ─卜と船底ガーダーを反転した状態で治具上で組む。相互の溶接を完了しておく。大骨の船底格子状構造が完成する。
3)この状態で船底外板のパイ形材をこの上に並べて行く。船底格子とは仮付けしておく。
4)船底パイ形材のシームを仮付けする。
5)船底ロンジとフロアフレートとの固着ブラケットやリブの取付を実施。上向き溶接の個所は場合によっては残しておく。
6)船底パイ形材シームを自動溶接にて本付け溶接する。但しバットの個所から適当な長さは調整代として残す。
7)船底平面ブロックを反転して、架台に搭載する。
8)1)〜7)と同様の工程で、船側平面ブロックと甲板平面ブロックを完成する。この場合大骨格子構造を反転した状態で組み、正転して甲板パイ形材を並べる方法と甲板パイ型材を反転した状態で治具上にセットして、溶接してしまい、その上に甲板大骨(甲板トランスとガーダーを並べてから組んで行く方法とがある。前者の方が形状保持は容易と考えられる。
9)甲板と船側平面ブロックを逆IIに組み上げる。反転状態にして逆IIに組むのはガンネル部の溶接を下向きで完全に施工するためである。
10)7)に9)のブロックを搭載して、船側船底の大骨の連結とチャイン部の溶接を完了すれば、船体中央部が完成する。
11)船首ブロックは立体ブロックとするのが普通。曲がりの一番多い個所であ