なお、裏当て金の溝が深くて不適当なために、裏ピードが大きくなった場合や、余盛りのリップル間隔が不揃いの場合には、ディスクグラインダーでドレッシング(余盛りの仕上げ)をする必要がある。
図7は、溶接完了後のパイ形材パネルである。図8は反転前の甲板パネルを示す。
4. 曲げ加工
パイ形材は骨付板であるから、曲げ剛性が大きく曲げ加工は困難と考えられ勝ちである。確かに一枚の板を曲げるようには行かない。そこで若干の工夫は要る。つまり曲げ加工時の剛性を落としてやることである。一例を図示すれば図1〜図5の通りである。場合によってはパイ型材を半パイ形材にして後で溶接すると云う手もある。2次元曲げの場合には比較的簡単である。3次元曲げの場合は防撓材の曲げねじりが入って来るので、非常に加工が困難となる。従って場合によっては防撓材を削ぐと云った工作も必要である。
一般にアルミニウム合金船は高速艇が多く、船形はチャイン付のV形が採用されるのが殆どである。従って極端に曲げねじりの発生するのは船首部船側の個所に限られる。この場合ロンジの通し方を工夫してねじりが最も少ないような導設方法を見い出すとか、船体線図に修正を加えることも必要である。
(1)加工に最適な大きさのパネルとしてから曲げを行う。曲げ加工時の最大幅は設備とも関係するが、下表に1例を示す。