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(イ)船底外板厚きの計算例

基準による算式2……

 

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パイ・セクションでテーパ付き板はこの平板と同等の強度となるように表1のプログラムにより上記の各数値を代入して求めれば良いことになる。ただしこの計算ではTm、To、Brを仮定して塑性モーメントを求めるのであるが、軽構造船暫定基準の算式は近似化されているので必ずしもプログラムの結果と一致するとは限らない。そこで、基準の平板の寸法を求めて、平板の塑性モーメントをこのプログラムで求め、これがテーパー付き板の塑性モーメントより小さければ良いと判定することを奨める。

(ウ) 不等厚板の計算

(イ)によって設計水圧Pl=2.44kgf/cm2に対して基準の板厚8.01mmが得られた。この水圧を使用して表1のプログラムで平板の計算を実施すると

300X8.01 重量6.48kg/m

耐力13kgf/mm2前に対する塑性モーメントの安全率1.13を得る。基準の1.2より低い値となるのは基準の算式が近似化されているための誤差に起因すると見られる。この場合1.2とすれば安全側になるから1.2とすれば大きめの寸法になるから問題はないが、比較計算の意味から安全率1.13として不等厚板の寸法を求める。

表1のプログラムによる計算結果を示すと次のようになる。

 

P1=2.44kgf/cm2

σY=13kgf/mm2

安全率 1.13

Tm=6mm

To=10mm

Br=30mm

重量 4.78kgf/m

 

この寸法の不等厚板とすれば平板の場合と同等の強度を有することになる。重量は4.78/6.48=0.74となり26%の重量軽減が達成出来た。塑性モーメントなどの結果は表2のようになる。塑性モーメントが曲げモーメントより大きいければ良い訳である。即ち、Mp(x)がM(x)が1より大きいければ良いと云うことで、表2の値ではMp(x)/M(x)の最小値であるx=3.5側の箇所が第1塑性関節の発生個所となる。

 

 

 

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