(2) 鳥の知識一般
わかっていないことの方が多いことを知ってもらうよい機会でもありますが、具体的に説得力を持って説明するには、わかっている範囲をしっかり把握しておく必要があります。
暮らし方については種によって違うことも大切なポイントになります。例えば、鳥はどうやって眠るのか?と聞かれても、ゴイサギのように夜行性の種もいるし、東京湾のユリカモメのようにねぐらがよくわかっていないものもいます。同じ種でさえ、個体群、生活史、年や状況などによって違うこともあります。ハクセキレイはどうやって眠るのかと聞かれた時も、繁殖期と越冬期では違います。ただし、基本的なことは推測できることも少なくありません。
「何の仲間ではここまで知られている」といった具合に具体的に、科学的にわかっていることを示せればよいが、そうでなければ、「この場合には、こう考えられる」というように考え方を示すのが親切と思われます。
(3) Q&A
最近、会への問い合わせが多い質問とその答えの例を記しました。
Q. 鳥のヒナが道に落ちていたので拾ったんですが、どうしたらよいのでしょう。(5〜6月の巣立ちのシーズンに特に多い質問です。)
A. いた場所にそっと返しておくことをお勧めします。巣立ったばかりのヒナは、親の世話を受けています。一羽でいるように見えても、たいてい近くには親がいて、ヒナを見守っているのですが、人の姿におびえて隠れてしまうのです。