以下は、相手の自主性、主体性を尊重し、自身の体験を大切にしてもらうための留意点で、『あなたもバードウォッチング案内人』「自主性、主体性を尊重する」179ページを参考にまとめたものです。
案内人が話し、相手が聞くというパターンでは相手が受け身になりがちです。自ら考える、参加することで、能動的、主体的に自然に関わってこそ興味を刺激し、動機づけになります。
1] 自分で見つけてもらうようにする
どんな鳥であれ自分自身で見つける、双眼鏡の視野に捉える、見分けることができると強く印象に残り、興味や関心を刺激します。自分で鳥を探せるように、あるいは双眼鏡の視野に捉えられるように、目当ての鳥がどこにいるのかをわかりやすく示すことも大切です。
「案内人」が先に気がついても、あえてこちらから教えないことも技術の一つです。方法やコツ、楽しみ方などを伝えておくことで、できるようになれる、なりたいと感じてもらうとよいでしょう。
2] まずはじっくり見てもらう
人間は視覚の動物。話を開くより、自分自身で見て、感じてもらうことが強い印象になります。本人の原体験を尊重する点からも、説明は最少眼、あるいは場面によっては不要という判断も必要です。
自分で見つけてもらうことにはなりませんが、望遠鏡の視野でアップで捉えた野鳥を見てもらうということも、遠い存在であった野鳥を身近に感じて、関心、興味をもっていただくきっかけになります。
3] 説明しすぎない
野鳥やバードウォッチングという行為そのものに魅力があり、気づき、発見、出会いの一つひとつが大切です。説明するにせよ、一方的に話すより、間をおいたり、問いかけたりして考えてもらうようにしたいものです。