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ると考えられます。(参考になる会誌として『野鳥』(96年8月号)「月のリズムと自然」)

 

(4) 生物や自然の学問領域

生物学は、『岩波生物学辞典 第4版』によれば「生物およびそれのあらわす生命現象を研究する科学」とされ「18世紀のリンネによる分類体系の整備、19世紀のダーウィンによる進化論、20世紀においては遺伝学、生化学の発達、1940年以降は分子生物学の成立、発展が著しい。なお、人類学、医学、農学などは生物学の分野でもあり応用的科学でもあるが、これらを含んで生物科学の話も用いられる」と記されています。

また、生物学の一分野に動物学(行動学、社会学、心理学などが含まれる)、その一分野に鳥類学があります。

生態学は「生物の生活に関する科学」でふつう概念的に個生態学と群集生態学に分けられますが、「関心の方向あるいは方法に応じて、個体群生態学、生産生態学、社会生物学、行動生態学、進化生態学、植物社会学、生態系生態学、システム生態学、数理生態学などの分野に細分化され…」とあります。

ちなみに生態系とは「ある地域にすむすべての生物とその地域内の非生物的環境をひとまとめにし、主として物質循環やエネルギー流に注目して機能系として捉えた系」です。

さらに、近年、日本でも成長してきている保全生物学は『保全生物学』(樋口広芳編,1996年,東京大学出版会)によると、「1980年代の半ばごろから欧米を中心に急速に発達してきた自然環境や野生生物の保全を促進するための自然科学の一分野」「保全を具体化するのに必要な法律や制度など、社会科学との結びつきも強い」とあります。

 

3. 生物についての基礎知識

 

(1) 生物種と分類

生物程のすべてがわかっているわけではありません。現在知られているのは150万種以下ですが、実際は1千万程とも、それ以上ともいわれます。この多様な生物の世界は、まず3〜5つの「界」によって分類されます。大まかに3つにわけると生産者である植物界、消費者である動物界、分解者である菌界となります。

 

 

 

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