この成果を受けて1997年、旧ソ連のグルジワ共和国トビシリで環境教育に関する初の政府間会議(トビシリ会議)が開催され、そこでは環境教育は「…問題認識、行動姿勢及び価値の創造を目標にすべきである。それらは生物圏の保持、あらゆる場所における生活の質の改善とともに、倫理的価値および、人的および自然遺産の保護を目指すべきである…」と定義され、地球サミットにおいても「アジェンダ21」の中で、「トビシリ会議」の成果の発展がうたわれています。
前出の『日本野鳥の会の理念と活動』では、「第III章 3.普及活動(1)目的」で以下のように、「野鳥を通しての環境教育」と表現されています。
普及活動の目的は、人々が野鳥を通して自然の素晴らしさに接し、自然のしくみに興味関心を示し、人間と自然との関わりを尊重する人々を増やすことである。さらに、自然保護問題や環境問題を考え、それを人間自身の問題として捉えて自然を守ろうと動機づけられる幅広い層の人々を増やすことも、重要な目的である。究極的には、「野鳥も人も地球のなかま」で表現されるような考え方を広め、そのために行動する人々が増えることにつながる。
消費活動などで人々が少しづつ環境に与える影響の蓄積が大規模な環境汚染や自然破壊を起こしてきた実情から、私たち一人ひとりのライフスタイルの在り方が大きく問われている。これを本会の普及活動の目的に照らした場合、野鳥を通しての環境教育により、個人の段階で実行できるライフスタイルの変革に取り組む人を増やすことを意味する。
以上抜粋