とりわけ人の目をひきやすく、いつでもどこでも老若男女の別なく人々の関心を呼び起こしやすい。国境を越えて渡り、大空を自由に翔ぶ鳥の姿は、万人の認める自由のシンボルである。また、野鳥は、姿や鳴き声、生態の千変万化によって人の心を和ませ、人間文化の創造の源ともなっている。野の鳥を野に守ることは、ほかの多くの生きものや、それらが生きる自然環境を守り、さらには私たち人間が安らかに暮らせる環境をつくり出すことにもつながる。日本野鳥の会は、このような考えと活動を世に広め、多くの賛同者を得て、自然と人間が共存する豊かな環境をつくることに貢献する。
(3) 理念の要旨(理念を一文で端的に表現して使う場合)
『日本野鳥の会は、自然を尊び守り賢明に利用することが人類の存続と幸福にとって不可欠であるとの認識にたち、野鳥を通して自然に親しみ自然を守る運動を、社会の信頼を得て発展させることによって、自然と人間が共存する豊かな環境をつくることに貢献する。』
以上抜粋
(2) 地球環境問題の現状
地球環境問題とは、オゾン層の破壊、地球温暖化、酸性雨、熱帯林の減少、砂漠化、野生生物種の減少、海洋汚染、有害廃棄物(越境移動)、開発途上国の公害問題など、その影響が地球的規模で広がっていて国際的な取り組みが求められている問題の総称です。いずれも深刻で、早急な対策が求められています。
国際社会の動きとしては、地球サミット(環境と開発に関する国連会議/UNCED)が、地球環境の保全と持続可能な開発の実現のための具体的な対応策を得ることを目的として、1992年、約180カ国が参加して、ブラジルのリオデジャネイロで開催されました。この会議では別途取りまとめられた「気候変動枠組み条約」と「生物多様性条約」への署名が開始され、「環境と開発に関するリオ宣言」「アジェンダ21(行動計画)」及び「森林原則声明」の文書が採択されました。