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はじめに

 

本書は(財)日本野鳥の会が実施する「バードウォッチング案内人研修会」のテキストとして、また、研修会終了後のバードウォッチング案内人の活動の手引きとして編集されたものです。

 

「バードウォッチング案内人」とは、ここではフィールドマナーを守るバードウォッチングを通じて、本会の理念の根本にある「自然と人との共存」という考え方を普及する人を意味します。

これまでも、各地の支部の探鳥会などがバードウォッチングの普及に貢献してきました。その中で、野鳥や自然、あるいは地域の素晴らしさが見直されたり伝えられて、自然保護運動や探鳥会リーダーが育ったり、地域の自然が守られてきたという例も少なくありません。その根底には、「自然と人との共存」という考え方が脈々と流れていたはずです。あらためてこの研修会が企画された背景には、地球環境問題が全人類共通の課題となった今日、より多くの方に「自然と人との共存」という考え方を広めたいと考えた点があります。

また、バードウォッチングが趣味として一般的になった一方、野鳥や自然にやさしいはずのバードウォッチングで、野鳥を脅かすような行為が心配される側面も生じてきました。そこで、「自然と人との共存」の考え方やフイールドマナーの普及について、地域の支部活動や探鳥会に加えて、それらをフォローするような形で、本会として、これまで以上に積極的に取り組む必要があると考えました。

 

この研修会の目標としては、バードウォッチングや案内・指導の経験の少ない参加者については、「知人に、フィールドマナーを守るバードウォッチングの案内ができること」、あるいは「探鳥会リーダー役の手伝いができること」を想定しています。また探鳥会リーダー役の参加者については「バードウォッチング案内の基礎とともに、自然と人との共存の考え方やその伝え方を確認していただくこと」を考えています。

 

 

 

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