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<図 6-7-3>舵及びプロペラ軸の接地

 

防食電流の調整は、一般的に自動制御式で、喫水の変化、船速の変化、海水の塩分の変化、周囲温度の変化及び外板の塗膜剥離の状態変化などに応じて調節される。環境条件の安定した係留船には手動式が適用される。

装置の容量は、最大防食電流で表し、次式で求める。

[最大防食電流]=[防食電流密度]×[総防食面積;水浸部外板表面積+舵表面積+プロペラ表面積]

防食電流密度は、装置の実績特性データなどをベースに、船速、塗装の種類・劣化度などを考慮して決める。船速は供給溶解酸素量に関係し高速になるほど腐食の度合いが増してくる。塗装の種類は船体外板の絶縁の程度を決定する。塗装の性能劣化はメカニカルダメージなどによる塗膜の剥離などが原因となる。これを計画段階で織り込むことは難しいが、塗料ロス何パーセントという形で考慮する。

電極の配置方法の一例を次に示す。(<図 6-7-4>参照)

(a) 基準電極は、正確な船体電位の測定のため、防食電流の影響を直接受けないように陽極から10〜15m離れた位置とする。基準電極の数と位置は船の大きさ船速、陽極の数と位置によって決定する。

 

 

 

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