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このため、本章ではプラスチック光ファイバの艤装工事において考慮すべき事項について記述する。

なお、光ファイバは非常に小さい繊維であり、刺さったり、断片が目に入るなどの障害の危険性があり、また、汚れや埃は性能低下を招くので、従来とは違った工事の品質管理が必要である。

 

2-6-1 ケーブルの布設

船舶における一般的な電線の布設方法としては、JIS F 8071-86 や各船級協会規則などに確立されたものがあるので、光ファイバケーブルの布設方法も、これらに準拠することが望ましい。

全プラスチック光ファイバを船舶に布設するに際して、特に考慮しなければならない事項を次に説明する。

-1.ケーブルの布設場所

(1) できるだけ真っ直ぐで最短距離とし、かつ、点検の容易な場所とする。

(2) 機器の分解や移動の時に支障とならない場所とする。また、大形機器などの搬出入開口部には布設しない。

(3) 船体構造物の伸縮接合部には布設しない。やむを得ず布設する場合にはケーブル外径の12倍以上の曲げ半径となるわん曲部を設ける。

(4) 高温管や高温の機器からは 200 mm 以上離すこと。離すのが困難な場合には熱よけや冷却通風などにより外被温度が許容値を超えないようにすること。また、熱気が集積する場所に電路を布設する場合には自然又は機力による冷却通風を行う。

(5) 機械室とその囲壁、洗濯機室、調理室など火災の危険の高い場所からできるだけ離す。また、火災によって生じる隣接隔壁の過熱による焼損を防ぐような対策をする。

(6) 船倉、甲板上、機械室床下など機械的損傷を受けやすい場所には布設しない。やむを得ず布設する場合には電線管又は保護覆いなどにより保護を行う。

 

 

 

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