2-5-3 線さばき部の防湿処理
ケーブル端末の線さばき部の防湿処理が完全に行われないとケーブルの絶縁低下を招く。
線さばき部の一般的な防湿処理方法は、次のとおりである。
(a) 線さばき部の処理材料としては、粘着ビニルテープや熱収縮性ビニルチューブなどを用いる。
(b) 2心以上のケーブルは、シースを除去した根元から線心端までの介在物を念入りに除去する。
(c) 絶縁ゴム上の布テープ類は、絶縁低下の原因となる場合があるので、絶縁体の先端から10mm(又は根元まで)剥ぎ取って、粘着ビニルテープでテーピングする。
布テープでなくプラスチックテープの場合は、除去やテーピングの必要はない。
(d) 線端処理に使用するテープの巻付けは、原則として、半重ね巻き2回以上とし、最終端部は巻戻り防止のため余分に1〜2回重ね巻きする。
(e) 多心線の場合は、機器の端子配列の順に若干のゆとりを持たせて切断し、端子の配列の順に麻糸などでレーシングする。予備の心線は、最も遠い距離にある端子に接続できる長さに切断してから、一括して縛っておく。
端末防湿処理方法の一例を<図 2-5-4>に示す。