(3) 中位プロトコル層
ネットワーク上の適切な経路を選択し、エンドシステム間を確実に結ぶ部分で、これまでのコンピュータネットワークの歴史の中で、ハードウェアと結びついて開発されてきた、SNA(IBM)、HNA(日立)、DNA(DEC)、IPX(Net Ware)などがあるが、何れも互換性がなく、最近はコンピュータメーカーに依存しないプロトコルとして作られたTCP/IPがLANでは多く利用されている。
(4) 上位プロトコル層
市販ソフトなどアプリケーションプログラムの通信処理(ファイル転送、トランザクション処理、データベース処理など)を実現する部分でデータ交換の手順や、データフォーマットの変換などを実行する。
9.5 標準化の動き
-1. OSI
初期のネットワークは、大型コンピュータを中心とした単一メーカーのネットワークであったため、各メーカーのプロトコルが異なっていてもさほど大きな問題は生じなかった。
しかるに、ネットワークが拡大されると必然的に異なったメーカーのコンピュータを接続する必要が生じ、このためのプロトコルの標準化の動きとして、1978年にISOからOSI参照モデル(Open System Interconnection Model)が発表された。
ISOでは、<図 9.5.1>に示すようなプロトコルモデルを提案し、順次にその規約を制定している。ここで決められた標準に従えば、同じ標準に従っている他のすべてとの相互接続が可能になる。