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最後に、運輸部門により多くのバイオ燃料を導入することに対する最大で最も深刻な障害は、自動車ユーザーにより支払われるコストの影響です。これはさらに部分的には新しい燃料と自動車のためのコストの展開に依存し、また部分的には地域社会が利用することを決めた制御の手段に依存します。さらなる進展は、バイオ燃料のための新しい、コスト効果のある生産方法および新しい、環境的に最適化された自動車を生み出す開発作業と、さまざまなタイプの政治的措置に依存します。マーケットのさまざまな参加者を早い段階で変化のプロセスに参画させることで、新しく持続可能な技術を、知識の蓄積と同じ速さで普及させることができます。

 

知識のギャップ

 

新しい生産技術

 

バイオ燃料のさらに広範な使用のためのひとつの前提条件は、それが現在よりさらに安く生産されることです。スウェーデンと外国における研究開発作業の結果、長期的には競争力のある価格でエタノールを生産することが可能とみられるセルロースの酵素加水分解のような、新しい有望な生産方法が出現しています。開発プロセスの次の段階は、大規模な投資を進んで行なうためにマーケットが要求している事項を提供できる、多くのパイロット・プラントの建設を始めることです。

バイオガスを生産する技術に関しては、多くの異なった解決策が、最近建設されたいくつかの実証プラントで現在テストされています。これらのプラントは、将来のプラント・デザインの基礎となるような事項を提供できるように追跡調査され、評価される必要があります。もし、たとえば牧草作物による、さらに拡大したバイオガスの生産が可能になるとすれば、さらに拡大された開発作業が、「牧草地からタンクまで」の全生産システムを開発するために求められるでしょう。

 

新しい自動車技術

 

KFBのバイオ燃料プログラムは、多くの異なった技術の解決策が乗用車やトラックおよびバスの燃料として、エタノールやバイオガスを使用することに関して存在していることを実証しました。これらの解決策のいくつかは今マーケットで利用できますが、大規模かつ通常の運行条件で機能する環境面で最適化された自動車を獲得するためには、以下のことが必要です:

 

□着火促進剤の添加を必要としない大型自動車のための純粋アルコール・エンジンの開発と実証。点火プラグと予熱プラグに基づくエンジンの概念は部分的には開発されていますが、たとえばコストを下げ、全体の自動車システム(エンジン、点火システム、燃料、触媒およびおそらくEGR)を最適化するために、さらに開発されることが必要です。

 

 

 

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