導入の障害
次の章に参照されている研究は、バイオ燃料の広範な導入をスタートさせることを妨げる、重要な技術上の障害はないと述べています。エタノールとバイオガスの使用開始が可能な多くの自動車フリートが存在しています。前の章で示されていたように、オットー・エンジンとディーゼル・エンジンの両方でバイオ燃料を使用するための技術は、KFBのバイオ燃料プログラムの後援のもとに開発されました。
KFBのバイオ燃料プログラムはまた、もし追加コストがそれほど高くなければ、その自動車へのバイオ燃料の使用開始に関心があり、意欲もある多くの参加者の存在を実証しました。
エタノールの高い生産コストが、大規模生産を実施するにあたっての主要な障害とみられます。しかしながら、長期的には新しい技術により、バイオ燃料のマーケット価格が引き下げられるとみられます。国際的な開発とスウェーデンのEU参加がまた、より大きな障害となってきた、いくつかの要因を生み出していますが、これは同時に代替燃料のより広範な導入のための機会を提供しています。現在までのところ、自動車アルコールの輸入に関する鉱油指令と関税障壁が、スウェーデンにおけるより広範なエタノールの使用を妨げている大きな障害となっています。これは関税がエタノールの価格を押し上げているためです。しかしながら、長期的には、EUの規制に影響を与えることにより、スウェーデンと他のEU諸国の両方でより良い条件を確保するための機会があります。現時点では、しかしながら、EUは代替燃料に関する一貫した政策を欠いています。バイオ燃料に関する問題は現在、いくつかの異なった理事会の責任となっており、そこでは問題が部分的に異なった立場で捉えられており、このことが統一のとれた長期の努力を困難にしています。このため、スウェーデンがEUのネットワークを通じて、目的意識と戦略を持って働きかけることが必要です。
EUの代替燃料計画は、2005年までに化石燃料の5%をバイオ燃料と置き換えるという、開発目標を含んでいます。バイオ燃料に有利なもうひとつの最近確立された目標は、EU委員会の二酸化炭素に関する目標であり、これは他の工業国も追随するという前提で、2010年までに、1990年のレベルと比較し、その排出を15%減らそうというものです。
EUレベルでのこの活動を成功させるためには、EUの内外でスウェーデンが他の国々から支援を得ることが必要です。国際エネルギー機関の中での開発から、共通の戦略と見解を共有している国々は、さまざまな主要な事項を効果的に遂行できているということが示されました。このため、バイオ燃料の分野におけるこの協動を進展させ強化することがまた重要です。これはまた、EUの協動を推し進めるひとつの要因でもあり得ます。1997年の秋にStockholmで開催されたKFBの国際会議への代表団によりなされた勧告のひとつである、中心的参加者フォーラム(Stakeholders Forum)の創設が、より広範な国際的参加をもたらすひとつの手段となるでしょう。