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□混合された燃料(ディーゼルに乳化剤を加えた15%エタノール)の長期テストは、自動車の耐久性をテストすることが必要です。燃料に関するさらなるテストとして、その安定性をテストすることと、現実的に機能する混合技術を開発することがまた必要です。

 

□バイオガス自動車の実際の走行と排出の測定は、ごく短期的に行なわれただけで、将来に対する断定的な結論を引き出すことはできません。大型自動車のための継続したエンジンと触媒の開発が求められます。

 

□さまざまな代替燃料とそのさまざまな側面での可能性に関する継続した分析と評価が必要です。加えて、代替燃料を公正かつ簡単な方法で相互に測定することができる適切なテスト方法は利用できません-この分野での進展が待たれます。

 

システムの知識

 

運輸から生じる環境問題はこれまでのところ、しばしば狭い考えで個別に処理されてきました。持続可能な運輸システムを構築するために、多くの異なった措置が、多くの異なった参加者により行なわれることが必要です。これは参加と関与に関係する要求を生み出しますが、またシステム関係の改善された理解、およびどのように個別の判断が移行のプロセスを強化し、あるいは弱めることができるかに関する要求を生み出します。

システム関係の知識を蓄積するひとつの方法は、多くの自治体においてシステムの実証を実施することでしょう。これらのシステムの実証は、新しい燃料と自動車のテストおよび環境ゾーン、環境にやさしい公的調達および自動車プーリング、公共運輸およびサイクリング等の方針に影響する、さまざまな措置に関するテストを含むべきです。システム実証はまた、地方のAgenda 21活動に関連づけられるべきです。

地方のシステム実証をスタートさせることは、異なった目標を持ち、いくつもの世代の自動車が実際の運行条件のもとでテストされることができる、「テスト・プラットホーム」として利用できる開発環境を作るのに役立つでしょう。テスト条件におけるこのタイプの継続性はまた、独立した、そして客観的な評価プロセスを持つことを容易にするでしょう。

 

結論

 

□化石燃料からバイオ燃料への移行を含む持続可能な運輸システムヘの転換は長期的なプロセスですが、それを成功させるためには今スタートすることが必要です。これらの新しい燃料で走行することができる自動車のフリートが必要であるのと同様に、バイオ燃料の生産のためのパイロットおよび実証プラントが必要です。バイオ燃料はガソリンヘのエタノールの混合物と、大型自動車、FFVでのエタノール使用およびさまざまなバイオガス装置の使用を目的とした特別措置の両方を含んだ広範かつ長期の計画の中で導入されるべきです。

 

□国はバイオ燃料のより多くの使用を実現する上で主要な役割を演じるでしょう。この責任は、消費者への燃料価格が健康と環境への影響を反映するように、燃料に対する税金と賦課金の明瞭で透明な適用を含むべきです。これは、バイオ燃料のための新しいマーケットの構築に参画するであろう、新しい参加者からの相当額の、かつ長期の投資を含むため、国は一貫し、かつ持続可能な制御の手段を採用することが必要です。

 

 

 

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