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第11章

 

未来への戦略

 

持続可能な社会への運輸システムの転換はさまざまなタイプの政府の関与を要求します。しかしながら、マーケット経済の中で、このことは単に未来のための詳細な計画を実行するという問題ではありません。そうではなく、これはマーケット参加者のために長期的な条件を創造する問題です。好ましい方向を示し、環境の目標を達成するために必要とされるさまざまな制御手段に関する提案を促すために、バイオ燃料を導入するためのさまざまな戦略が必要です。

 

バイオ燃料のマーケットの創造

 

KFBのバイオ燃料プログラムからの経験は、エタノールやバイオガス等の新しい燃料のマーケットヘの導入は、国中のさまざまなユーザーのための現実的な実証により進められることが必要だということを示しています。これらの実証は、新しい解決策を開発し、そしてテストし、それらが実際に機能するということを現実で示すことを目的とします。これらの実証は、このようにしてさまざまな自動車ユーザー(公共運輸会社、輸送会社、タクシー、自動車の大規模なフリートを持つ会社等)と同様、自動車および石油産業の主要な参加者に関心を持たせ、彼らを開発プロセスに参画させるための役に立ちます。実証からマーケティングの段階に進ませるために、生産設備や、バイオ燃料で走行する自動車に投資するマーケット参加者のための適切な経済条件を持つことが必要です。そのような移行段階を通じて新しい技術は既存の技術より高価であり、そのために国は、後に徐々に廃止されていく補助金により介入する必要があります。もうひとつの条件(第10章で議論されました)は、経済への影響は化石燃料や環境に有害な燃料の価格の中に反映されるべきであるということです。これは大規模かつ長期の投資の問題であるため、マーケットの参加者は、内容が一貫し、長期である制御の手段を採用することを政府に要求します。

 

バイオ燃料の導入のための戦略

 

1996年の夏に、コミニュケーション委員会、KomKomはKFB、NUTEKおよびSIAKに2010年までにバイオベースの燃料の導入に関する戦略の基礎を作成することを指示しました。この使命の開始のポイントは、2010年までに、スウェーデンにおける道路交通で消費されるバイオベースの燃料の比率を燃料全体の15%に引き上げるという目標でした。

 

 

 

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