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第10章

 

経済に関する影響-分析

 

経済に関する影響の分析は、さまざまなタイプの影響に対する資源投入を均衡させる試みを含みます。バイオ燃料に関するこのタイプの分析は、バイオ燃料が環境のゴールを意識して導入されているため、当然のこととして、環境コストの分析と評価に関係しています。

 

生産、販売および自動車コスト

 

コスト面では、燃料を生産するコストは、このような分析において最も重要な単一の要因です。第3章および第4章で説明されたように、現時点ではバイオ燃料はガソリンとディーゼルとの関係で競争できる価格で利用することはできません。しかしながら、長期的には、その時点で予想される石油価格と同等のレベルまでその価格を引き下げる技術上の可能性が存在していますが、このことは環境効果のさらなる内包化を要求するものです。すなわち、その国における環境への影響のコストが価格に反映されるということです。このことは将来において二酸化炭素税を引き上げることにより実現されるでしょう。これに加えて、石油の利用はより制限されたものになるため、長期的には石油価格はおそらく上昇するに違いありません(表10.1参照)。

初期の段階では、自動車とインフラに関連したいくつかの追加的コストがあります。しかしながら、商業的に導入されることにより、これらのコストは消滅するでしょう。Olsson L-0(1996)は、経済上の計算に最も大きな影響を持つ変数は燃料の価格であると述べています。自動車の他の部品およびそのコストは、どの燃料が使用されるかに大きく依存します。過去15年間を通じての乗用車のための燃料コストの変化を振り返ってみて、我々はたとえば、価格は少なくとも消費者物価指数と連動して動いたと述べることができます(図10.1)。この期間を通じての主要な出来事は触媒の導入でしたが、当初多くの人々がこの技術は自動車所有者にかなりの追加コストを求めると考えました。統計からは触媒の導入はそのようなコストの増加に何らつながらなかったことが示されています。同じような状況がバイオ燃料の導入に関しても期待することができます。

 

 

 

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