エタノール・トラック-SVENOL
Chalmers工科大学、Volvo社およびKFBが参加した共同開発プロジェクトの結果として、4台のエタノール・エンジン・トラックについてのテストが1995年に開始されました。このプロジェクトはSvenolIと名づけられ、7リッターのエタノール・エンジンを持つVolvo社製の4台のトラックを含みました。2台のトラックは配送目的のもので、残り2台はゴミ回収トラックでした。後の段階であるSvenolIIにおいて、さらに3台の自動車がテストに導入されました。
Svenolプロジェクトの自動車に使用されたエンジンは、エタノールでの走行のためいくつかの部分が修正された、Volvo社の従来のディーゼル・エンジンでした。このプロジェクトの2つのフェーズにおけるトラックはまた異なったものでした。最初の4台のトラックの現実の走行から得られた教訓は、第2世代のトラックが第2段階のために開発された時に利用されました。
このプロジェクトを通じ、指摘された燃料消費量は予想されたものよりわずかに高いものでした。これは一部は着火促進剤に関する問題によるものであり、さらにはエタノール走行のために最適化されていないエンジンによるものでした。しかしながら、ある程度は異なった運行条件により説明することができる、さまざまな自動車の間の広範な違いもありました(図7.1)。Volvo社はさらなる説明を用意しています。つまり、エンジンは低い燃料消費量よりもむしろ低い排出ガスのために最適化されているということです。ディーゼルで走行する典型的なエンジンに関して、約7g/kWhのNOx、が排出されますが、エタノール・トラックはMTCにおける排出ガステストによれば、その半分のNOxの排出のレベルにとどまっています(約3.5g/kWhのNOx)。
要約すれば、最終プロジェクト報告書(EkelundM、1997)の中で、トラックは非常に満足のいくレベルで機能したと述べられました。結局、7台のトラックは特段の故障もなく、またディーゼル・トラックと同じ利用度で約20万kmを走破しました。運転手とその他関係者はこの自動車に満足しました。さらなるエンジンと自動車の開発に関して、効率性を改善し、始動性を改善するため、および燃料フィルターが沈殿物で詰まらないように燃料ラインの部品のライニングを交換するために、さらなるエンジンと騒音の最適化が求められています。